2017年8月3日(木)

広がる「副駅名称」、県内10駅はどんな名称…契約料金は? JR東は導入なく課題も

埼玉高速鉄道の浦和美園駅に掲出されている埼玉りそな銀行の副駅名称

 鉄道駅ホームの案内板などに本来の駅名とは別に地元の企業名や大学名、施設名などを表示する「副駅名称」が広がっている。県内では7月までに埼玉高速鉄道(SR)と東武鉄道の計10駅に副駅名称を設置。企業などは認知度やイメージアップにつなげる狙いがあり、鉄道事業者には広告料が入る。

 帝国データバンク大宮支店は「鉄道事業者は地域をPRしながら収入を得られる」とメリットを挙げる一方、「JR(東日本)では導入されておらず、業界全体の大きなうねりとなるかどうかは未知数」とみている。

■月額15万円から

 「浦和美園とともに歩む 埼玉りそな銀行(今秋オープン予定)最寄駅」。5月1日、SRの浦和美園駅に長い副駅名称が登場した。副駅名称板のサイズは縦20センチ、横1メートルでホームの対向壁など60カ所に浦和美園駅という駅名の下に掲示されている。契約料金は月額15万円。

 同銀行は「浦和美園出張所(店舗)が地域の発展とともに成長していく思いを込め『浦和美園とともに歩む』を盛り込んだ」という。

 SRは2015年7月から浦和美園〜川口元郷駅間の7駅で副駅名称を募集。募集中の戸塚安行駅を除く6駅に地元企業や施設の副駅名称が付く。字数制限はなく、企業などの希望がほぼ通る。

 他の副駅名称は川口元郷駅「OKS CAMPUS大泉工場最寄駅」(月額契約料20万円)▽南鳩ケ谷駅「川口オートレース場最寄駅」(同)▽鳩ケ谷駅「山伸マテリアル最寄駅」(同)▽新井宿駅「木風堂最寄駅」(15万円)▽東川口駅「ピュアヴィレッジなぐらの郷最寄駅」(25万円)。

 企業や施設を訪れた利用者から「目的の場所に一番近い駅として副駅名が付いているので分かりやすい」との声が届いているという。

■親しまれる駅に

 東武鉄道は16年1月、東上線の高坂駅に「大東文化大学東松山キャンパス前」の副駅名称を採用。同2月に霞ケ関駅に「東京国際大学前」、同4月に越生線の川角駅に「城西大学前」、今年4月にはスカイツリーラインの「松原団地」駅を「獨協大学前」駅に改称した。

 案内板の駅名の下に縦10センチ、横105センチの副駅名称が表示されている。

 大学や著名な施設のある駅を対象にしており、契約期間は3年(契約料非公表)。

 大東大は「地域に開かれた大学として駅を利用する学生や地域住民の愛着心を育てることにつながればいい」と狙いを話す。東武鉄道側も「副駅名称を入れることで、より分かりやすく、親しまれる駅にしたい」とし、大宮駅や岩槻駅などでも広告主を募集中だ。

■観光PRも

 一方、鉄道事業者が独自に駅周辺の観光PRや利用者の利便性向上を目的として、副駅名称を導入している例もある。秩父鉄道は御花畑駅をシバザクラで有名な羊山公園の最寄駅であることから、副駅名称を「芝桜駅」としている。西武鉄道は本川越駅に「時の鐘と蔵のまち」という副駅名称を付けている。

 秩父鉄道は「長瀞駅のように駅名が観光地として定着している所は副駅名称を付けると、かえって利用者を混乱させてしまう。駅によっては著名な施設がない所もあり、広告料を取って副駅名称を付けようとしても難しい面がある」としている。

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