2017年7月19日(水)

<上尾男性放置死>あり得ない…施設に批判の声 浮かぶずさんな管理

障害者支援施設「コスモス・アース」の家宅捜索に入る県警の捜査員=15日、上尾市戸崎

 上尾市戸崎の障害者支援施設「コスモス・アース」で知的障害を抱える男性利用者(19)が車内に放置され死亡した事故は20日、発生から1週間を迎える。炎天下の車内に6時間以上取り残され、熱中症とみられる症状で亡くなった男性はなぜ気付かれなかったのか。県の調査などからは、施設のずさんな管理が浮かび上がる。

 施設や県などによると、男性は13日午前9時ごろ、ほかの利用者5人とともに送迎用のワゴン車に乗って施設に到着。普段は複数の職員で利用者の降車を確認していたが、この日は実習生の受け入れなどで忙しく、70代の男性運転手が1人で行っていた。

 一堂に会する昼食時、男性の食事が手付かずのまま残されていたことから、職員1人が不在に気付いた。しかし、情報は共有されず、男性を捜すこともなかった。到着から発見まで5回あった出欠確認の機会も生かされなかった。

 午後3時半ごろ、職員の間で男性がいないと騒ぎになり、運転手が敷地内の送迎車を確認。乗っていた3列シートの最後列で倒れているのを発見された。男性の体温は41・1度に達し、搬送先の病院で死亡が確認された。

 「職員の確認行為、連携がうまくいかず、機能しなかった」。施設の大塚健司管理者(75)は13日、報道陣に事故の要因をこう説明し、男性や家族に謝罪した。送迎車には普段、中からドアを開けられないようチャイルドロックをしていたという。

 県は14日、施設の立ち入り調査を開始。職員から事情を聴き、書類の確認などを行った。15日には県警が業務上過失致死の疑いで施設を捜索。当時の状況や安全管理に問題がなかったか捜査している。

 明るく優しい性格で、ミニカーが好きだった男性。事故が障害者の親たちに与えた衝撃は大きく、男性の通夜に参列した保護者らは「確認の点呼を取らないなんてあり得ない」「男性の面倒を見る担当者はいなかったのか」と施設を批判した。

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