2017年7月14日(金)

<上尾男性放置死>忙しく運転手1人で降車確認 食事残るも確認せず

報道陣の取材に応じる障害者支援施設「コスモス・アース」の大塚健司管理者=13日午後11時半ごろ、埼玉県上尾市戸崎

 上尾市戸崎の障害者支援施設「コスモス・アース」で知的障害のある男性利用者(19)が車内に放置され死亡した事故で、送迎車の降車時に職員複数で行う利用者の確認を事故当日は70代の男性運転手が1人で行っていたことが14日、県の立ち入り調査で明らかになった。昼食時にも男性の不在が見過ごされており、施設の管理者は「職員の連携が機能しなかった」と説明。司法解剖の結果、男性の死因は熱中症とみられ、県警は業務上過失致死容疑も視野に捜査している。

 県は14日、施設の立ち入り調査を実施。職員から事情を聴き、事実確認を行った。それによると、施設では利用者が送迎車を降りる際、運転手と職員が利用者の確認をしていたが、事故当日は実習生の受け入れなどで忙しく、運転手が1人で行っていた。

 また、昼食時に手付かずで残った男性の食事を見て職員の1人が不在に気付いたものの、遅刻などのケースもあるため確認を怠り、職員間で情報共有もされなかった。男性は重い知的障害を抱えており、朝に睡眠剤を服用し、送迎車内で寝ていることも多かったという。

 施設の大塚健司管理者(75)は13日、報道陣の取材に「職員の確認行為、連携がうまくいかず、機能しなかった」と話し、「男性と家族に本当に申し訳ない」と謝罪した。送迎用のワゴン車には普段、中からドアを開けられないようチャイルドロックをしていたことも明らかにした。

 施設や上尾署によると、送迎車には死亡した男性を含む利用者5人と運転手の6人が乗り、13日午前9時ごろ施設に到着。午後3時半ごろ、男性がいないことに職員が気付き、運転手が車内を確認したところ3列シートの最後列に倒れていた。

 県警は14日、送迎車を検証。施設の関係者からも事情を聴いており、当時の状況や安全管理に問題がなかったか詳しく調べている。

 県障害者支援課によると、障害者施設などの送迎車の運用については県などが定めるルールはなく、施設側に任されている。事故を受けて県は県内の障害者施設などに対し、送迎車の運用や熱中症対策などについて注意喚起することも検討している。

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