2017年5月14日(日)

イッセー尾形さんが主役…北沢楽天の映画、撮影が終了 来夏公開へ

映画「漫画誕生」で北沢楽天を演じたイッセー尾形さん(前列中央)、妻いの役の篠原ともえさん(同右から2人目)=さいたま市岩槻区

 さいたま市ゆかりの近代漫画の先駆者、北沢楽天(1876〜1955年)の半生を描く映画「漫画誕生」の撮影が終了した。撮影は4月上旬から中旬まで、同市内の氷川神社や見沼田んぼなどで実施。岩槻区内の古民家では楽天と妻・いのがフランス・パリを訪ねる場面が撮影され、ミュージカル仕立ての演出が参加者を盛り上げた。今後、編集作業が行われ、作品は来年初夏に全国の劇場で公開される。

 映画は楽天の功績を顕彰する漫画家らによる「北沢楽天顕彰会」が中心となって企画。監督に若手の大木萠さん(30)を起用し、主役の北沢楽天を俳優のイッセー尾形さん、いの役を女優の篠原ともえさんが演じた。作品の舞台は明治から昭和の戦後まで。楽天が福沢諭吉と出会って「時事新報」に風刺漫画を描くこととなった逸話、妻・いのとの出会い、戦中の国策に協力する苦悩や、後の漫画界に残した足跡などが描かれる。

 イッセー尾形さんは楽天の印象を「映画に入るまでは知らない人物でしたが、台本の中で生きているうちに、とてもなじんでいきました。自分の目の前にある仕事に全力を尽くす。たとえそのせいで煙たがられても淡々と。友情を覚えたと言ってもいいと思います」と語る。撮影現場で丸眼鏡を掛け、ひげをたくわえた尾形さんは、写真で見る楽天そのもの。映画を企画した漫画家のあらい太朗さん(51)は「映画を撮るなら主役はイッセー尾形さんと最初から決めていた」と、満足そうに撮影を見守っていた。

 いのを演じた女優の篠原ともえさんは、いのの印象を「器量が良くかわいらしい理想の奥さま」と話し、「20代から60代までを演じるのはプレッシャーでした。メークやしぐさを工夫しながら監督の前でお芝居を見せ、楽天にとって唯一の存在になれたらいいなと思いながら演じた」と振り返る。

 撮影を終えた尾形さんは「地元の皆さんが楽天さんを誇りに思ってらっしゃることが、演ずる身にとって心強かったです」。篠原さんは「私の父の故郷が秩父で、埼玉は子供の頃から親しみがありました。楽天と出会うシーンは見沼の川沿い、満開の桜の中での撮影でした。埼玉の自然とともにお楽しみいただきたい」と話していた。

購読申し込み 携帯サイト