2017年3月17日(金)

自衛官が国提訴、情報漏えいの嫌疑で違法捜査 国会で資料暴露後に

記者会見で「身の安全を図り、潔白を晴らしたい」と訴える防衛省情報本部の3等陸佐大貫修平さん(左)=17日午後、さいたま市浦和区

 防衛省統合幕僚長と米軍幹部の会談記録とみられる資料が国会で暴露された後、文書を流出したという身に覚えのない嫌疑をかけられ、中央警務隊による違法な取り調べを受けるなど精神的苦痛を受けたとして、埼玉県内在住で防衛省情報本部の3等陸佐大貫修平さん(42)が17日、国に対し慰謝料500万円を求め、さいたま地裁に提訴した。

 会談記録を巡っては2015年9月、共産党議員が独自入手したとして国会で文書を示し、自衛隊統合幕僚監部が安全保障関連法の成立見通しを米側に伝えていたと指摘。国は「同一の資料は内部で確認できなかった」としていた。

 訴状などによると、大貫さんは15年9月中旬ごろから、自衛隊法違反容疑(防衛秘密の漏洩)で捜査の対象になった。同11月〜16年2月、長時間に及ぶ取り調べやポリグラフ検査を受け、自白を強要されるなど、肉体的・精神的苦痛を被ったとされる。

 14年12月末、上司から大貫さんのパソコンに、会談記録と似た文書が送られていた。だが、その時点では「取扱厳重注意」の文書であり、統合幕僚監部が秘密文書に指定したのは、15年9月2日に国会で暴露された翌3日。大貫さんは命令に基づいて文書を破棄したという。

 訴状で原告側は流出した会談記録について、「国が存在を否定した文書であり、自衛隊法の秘密の漏えいに該当しない。そもそも秘密指定する前の文書であり、嫌疑は存在しない」と主張している。

 防衛省は「訴状が届いておらず、コメントは差し控える」としている。

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