2017年3月11日(土)

鉄道博物館の電車「ナデ6141」国の重要文化財に 今の電車の原型

重要文化財に指定される「ナデ6110形式6141号電車」=さいたま市大宮区の鉄道博物館

 さいたま市大宮区の鉄道博物館に収蔵されている電車「ナデ6110形式6141号」が、10日に行われた文化庁の文化審議会答申を受け、国の重要文化財(美術工芸品)に指定されることとなった。

 ナデ6141は1914(大正3)年、当時の鉄道院新橋工場で製造された電車。中央本線、山手線で使用された後、25(同14)年以降は複数の私鉄で移籍を繰り返し、72(昭和47)年に当時の国鉄に返還されて国鉄大井工場で復元・整備が行われた。同年、鉄道記念物に指定。その後、展示のための復元工事が行われ、2007年10月の開館時から鉄道博物館で保存・展示されている。

 電車が重文に指定されるのは今回が初めて。名称の「ナデ」の「ナ」は車体の重量を表し、「デ」は当時は珍しかった「電車」の頭文字から取られたという。

 全長約16メートルで定員は92人。茶色い木造の車体は完成時の形とほぼ変わらず、網棚やつり革など、現在の通勤車両と同じ機能を備えている。

 同館学芸員の奥原哲志さん(52)によると、鉄道輸送の需要が増えたことから、車両は当時としては大型で、初の片側3扉車。「統括制御装置」が導入され、車を連結させて走る「重連運転」ができることが最大の特徴という。

 奥原さんは「今の電車の原型が100年以上前に完成し、それが現代まで残っていることを思うと、改めて貴重だと感じる。後世に大切に伝えたい」と話している。

 ナデ6141は同館1階のヒストリーゾーンで展示されており、現在は車両内部に入って見学できる。

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