2015年11月3日(火)

姿消す公衆電話…県内41%減 台数維持を…災害時通話可で役割重要

設置台数が減少している公衆電話=さいたま市北区

 街頭の公衆電話が減り続けている。携帯電話の普及による利用者減が背景にある一方で、公衆電話には災害時の有効な通信手段として重要な役割を担う。大規模地震などの発生時には無料で使うことができる上、通信を遮断されずに通話できる。NTT東日本は「行政などからの要望もあり、非常時のインフラ対策として、できるだけ一定の台数を維持していきたい」と話す。 

 NTT東日本などによると、公衆電話は全国的に利用者が減っている。需要、利用者の減少は売り上げの低下につながり、採算が合わないため撤去が進んでいる。2000年に全国で73万5812台が設置されていたのが10年には28万3161台まで減った。今年3月末時点では18万3655台まで落ち込んでいる。

 急速に設置台数が減っているのは県内も同じだ。1990年の3万4千台から00年には2万9129台に。09年の1万1732台と比べ、今年3月末には6893台と41%減少した。店舗内に設置している熊谷市のスーパーは「高齢者も携帯電話を持つようになり、ほとんど使われていない」と話す。

 電気通信事業法では「市街地ではおおむね500メートル四方に1台、それ以外の地域ではおおむね1キロ四方に最低1台は設置する」と定められている。NTT東日本は「駅や公共施設、病院、ホテルなどでは設置を維持するよう努めている」と説明。一方、1台当たりの維持費は月約4千円程度で、1カ月当たりの利用者の通話料が4千円を下回ると取り外しの対象となる。NTT東、西日本合わせた11年度の公衆電話の事業赤字は約83億円に上る。

 県は災害時の帰宅困難者や避難者対策として、市町村に避難所に「特設公衆電話」を設置するよう勧めている。災害時には無料で使うことができるとともに、優先的につながる。回線の引き込みもNTTが負担する。県は「特設公衆電話を知らない市町村がある。必要とされる公衆電話は設置、維持してほしい」と、担当者会議などを通じて市町村に呼び掛けている。

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