|
高校共学化・福島からの報告
|
|
共学化のその先を
男女平等の学校づくり |
|
男女共同参画社会づくりの一環として別学校の共学化を果たした福島県。しかし、埼玉県出身で男子校・県立川越高校卒業生の高橋準福島大学助教授(社会学)は、「共学化さえすれば男女平等というほど単純ではない」とくぎを刺す。 福島県立安積(あさか)黎明=旧安積女子=高校の三年女子生徒は「男子が入ってきてやっぱり女子は引いてしまった」と話す。この秋、共学一期生の二年生から選ばれた生徒会長は早速男子生徒だった。今年の新入応援団員も全員男子。 「先生たちも共学化の象徴みたいに何かと代表者に男子を立てたがる」。三年生だけでなく、共学化した一、二年生からも出てきた意見だ。 共学化のプロセスにも旧男子校の安積高校と比べて不公平感を抱えていた。「安高は名前を変えなくてずるい。こっちは校歌まで変えたのに」(三年女子)。ほとんど現状維持のまま共学化できた安積高生徒からは、安積黎明と比較した不満の声はなかった。 ☆ ☆ ☆ 男女共生社会実現を目指す福島県の市民団体「ふくしま女性フォーラム」(栗原るみ代表)の会員でもある高橋助教授らは、共学化反対運動が過熱した一九九九年、「県立高校を考える分科会」を立ち上げた。当初の目的は共学化の推進で、共学化賛成の声を出そうと賛成・反対の両派を迎えた討論会も開いた。 しかし、その後検討を重ねるうち、本当の問題は共学化の是非を超えた別のところにある、と気付いた。 性差別を残した社会を変えるために教育が担う役割は大きく、男女一緒に学ぶ環境は不可欠。相手がいなければ共生の仕方を学べない。しかし、男女一緒だからこそ不平等さが表面化する。 例えば、それは教師が無意識に取る言動や行動で引き起こされる。代表者に男子を立てたがる、力仕事は男子で細かい作業は女子に頼む、女子には甘く男子には厳しい、など。 「そこを見直さないまま別学校を共学にしてもジェンダーフリーにならない。別学校の方が異性がいないから一見平等、という矛盾に陥りかねない」(高橋助教授) 学校教育全体で、どう男女平等教育を進めるのか。別学の共学化は一つの通過点にすぎない。同分科会は「ジェンダーフリー教育を考えるプロジェクト」に名前を変えた。 ☆ ☆ ☆ 高橋助教授は今、同県の共学化を「よりよい共学校づくりの視点までは立てなかった」と見る。しかし、男女両方いる環境をつくるというスタートラインには立った。「共学化を一ステップに、これから学校教育全体でどう両性の平等を達成していくか考えていければいいと思います」 =おわり= ジェンダーフリー 「男は仕事・女は家庭」「男は理系・女は文系」など、社会的文化的につくられた性による固定観念を男女の特質とみなす偏見(ジェンダー・バイアス)から、解放すること。 |
|
ニュースの詳細は埼玉新聞でどうぞ。 |