高校共学化・福島からの報告
寂しいけど早くない
愛着と時代に生徒揺れ

 二年前、ともに共学化した県立安積(あさか)高校と安積黎明=旧安積女子=高校には、別学世代最後の三年生と共学世代の一、二年生が同居している。

 両校とも一、二年生はおおむね共学化を歓迎。「自由な校風の安積に入りたかったから、共学になってよかった」(安積・二年女子)「入学した時は別学、共学どっちでもよかったけど、今になると三年生が不自然に見える」(同男子)「安積の蛮カラは自分には向かないし、大学に入るならきちんと指導してくれる安積黎明がいい。選べてよかった」(安積黎明・二年男子)

 一方、三年生の抵抗感は今も強い。

 安積高校は共学化で制服をなくしたが、三年生の教室では学生服姿が目立つ。ある生徒は「女子が入って硬派な雰囲気が崩れた。男女でいちゃついてるやつがいてむかつく」と口をとがらせた。「セクハラや“ばか”ができない。先生も『下ネタしゃべれるのはお前たちが最後だ』って嘆いてる」と息巻く生徒も。

 ☆  ☆  ☆

 安積黎明高校でも、ある三年生女子生徒は「安積女子」時代の校章を胸から外さない。「女子校で残してほしかった。共学になったから“ばか”になれない。男子の後輩は言うことをきかないし、女子の後輩は妙に異性を意識しているようだ」と共学に強い拒否反応を示す。

 この生徒は「校内で男子の声がするだけで嫌」とまで言い切るが、女子校だから入学したわけではなかった。「一年生のころは共学にあこがれた。女子校の特殊な雰囲気に慣れなくて。意味もなく上下関係が厳しく、廊下を歩くと先輩の目が怖かったから」。でも、いつの間にか居心地がよくなり「中学では男子に対して気を使っていた」と考えるようになった。

 ならば、永久に女子校のままを望むのか。そう問いかけると、友達と顔を見合わせて答えた。「いずれ共学になると思った。男女平等のために。二年前の共学化は決して早くない。しんどくて寂しいのは私たちが最後の学年だから」。嫌だった上下関係も「ないほうがいい。共学化で薄まると思う」と語った。

 三年生の複雑な思いを後輩たちは知っている。共学一期生の男子生徒は、創立九十周年記念誌にこんな文章を寄せた。

 「僕たちは必ずしも歓迎されて入学したのではないと思っている。全校集会などで聞く旧校歌が流れた時の、彼女たちの歓声を思い出すとますます強くなる。彼女たちが入学したのは『安女』であって『黎明』ではない。(中略)安女の先輩が『黎明になってよかった』と思えるような学校づくりに努めなければ」

ニュースの詳細は埼玉新聞でどうぞ。
購読申し込みは0120-633-888またはこちら。
saitama-np.co.jpの記事・写真の無断転載を禁じます。
日本の著作権法並びに 国際条約により保護されています。
Copyright 2002 The Saitama Shimbun