高校共学化・福島からの報告
伝統校でOB反発
説得繰り返した県教委

 福島県も埼玉県と同様、戦前旧制中学や高等女学校だった伝統ある進学校が別学校として残っていた。大学以上に高校の学歴に誇りを持つ県民も多い。なぜ約十年前に共学化を決断できたのか。

 福島県教育庁教育振興課の小森新一郎主幹は、「佐藤栄佐久知事が理解しバックアップしてくれたことは大きいが、あくまでも県教委の判断」と話す。

 同県では高校の生徒募集要項に男女別は記載していなかった。そのため、例年受験シーズンになると特に女子生徒から男子校への入学の希望があり、「なぜ入れないのか」と保護者から抗議や問い合わせが相次いだ。

 家庭科が女子だけ履修という時代は教育課程を理由に説明。しかし、同科目も男女共修が一九九四年から始まることが決まり、女子生徒を拒否する理由がなくなってしまった。さらに男女雇用機会均等法の施行など社会的背景もあり、「共学化は男女平等社会に向かう時代の流れと判断しました」(小森主幹)。

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 県学校教育審議会から共学化推進の答申を受けると、県教委は「全校共学化」を掲げ、翌九四年から開始した。初めは共学化を望んでいたり抵抗が少なそうな学校から着手。いよいよ旧制中学など”難関校“だけとなった九八年、県教委は高校名と実施年度を明記した年次計画を発表。

 その途端、名指しされた学校の卒業生を中心にハチの巣を突っついたような騒ぎが始まった。

 「埼玉県でいうと熊谷高校のような雰囲気」という県立安積(あさか)高校=当時男子校=もその一つ。矢内守同校教諭は「答申が出たころはまさかうちまで共学化とは思わず、寝耳に水だった」と語る。OBやPTAが中心となり県議会へ別学維持の陳情を出すなど反対運動を起こした。

 しかし、共学化を既定路線として走り出していた県教委は揺るがず、理解を得るため各校に何度も足を運んだ。「別学も学校の特色」「男子・女子を入れると校風が変わる」と反対するOBらに、「公教育は男子、女子の性別で特色を図るものではない。誰にでもオープンにした上で特色付けしていく」と説得を繰り返した。

 安積高校ではさらに反対機運を盛り上げようと在校生にアンケートを実施。ところが、結果は予想に反して「どちらでもよい」が最多、共学化反対は二割にとどまった。生徒たちは女子生徒を迎えるため、県内の全日制高校で初めてとなる制服自由化を決めた。

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