ヤミ金融被害 「夜明けの会」の救済活動から
3.「安心」「簡単」と勧誘
見透かされた心のすき

 「夜明けの会」の相談者の大半は主婦。夫の給料が減り、残業手当やボーナスをカットされ、生活費やローンの支払いに窮する主婦たちの姿が浮かんでくる。

 都内に住む主婦(五〇)もそうだった。夫の経営する店も以前は景気が良く、生活費は月八十万円。三人の息子を私立高校に通わせ、県西部に新築した家のローンを支払ってもゆとりがあった。しかし景気の波に合わせ、夫から渡される生活費も減少。貯金を切り崩して学費や生活費、店の運営費をまかなったが、すぐに底をついた。

 生命保険外交員、食品加工工場の深夜作業員として働いたが、支出に収入が追いつかず、ついに大手消費者金融から借金。収入の安定しない身では限度額が低く、見かねた会社勤めの長男、次男も借金を背負ってくれた。家を売る選択肢もあったが、五人暮らしのアパート代を払うなら、ローンの返済に充てたかった。「家を守りたいというより、これまでの生活を変える踏ん切りがつかなかったんだと思う」

 ところが三年前、長男が失業。次男の結婚も決まり、親として借金生活を続けさせるわけにはいかなくなった。それまでは「これ以上借りたら返せない」と捨ててきたダイレクトメールに手が止まった。「安心」「簡単」などの言葉に疑いもなく、五万円を借金。ヤミ金とは知らなかった。

 十日で二万円の利息に、初めて不審を抱いたのが遅かった。一ヶ月後、百八十万円になった借金を黙り通すわけにもいかず、夫に相談。親せきに借りて完済したが、昨年七月、以前借金した業者から電話で勧誘され、再び五万円を借金。「手元にお金がなかったときで、心のすきを見透かされた。冷静になれば分かるのに、あの時は必死だった」。百五十万円の借金を抱え「夜明けの会」に飛び込んだのは八月。業者の厳しい取り立てにも応じず、未返済で解決した。

 現在、工場でパート勤めをしながら、都内の風呂無しアパートに夫と長男、三男と住む。結局手放した家のローン返済を巡り、裁判所で破産手続きを進めている。進学高校を卒業した三男は、学年でただ一人就職した。「息子たちに申し訳ない」。家族のための借金のはずが、家族の人生を巻き込んでしまった。

 (ヤミ金被害などの相談は「夜明けの会」専用電話048-774-2862)

(2003年1月15日掲載)

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