ヤミ金融被害 「夜明けの会」の救済活動から
2.相談、半数以上が主婦
被害防止策「借りないに尽きる」

 桶川市内の一軒家、入り口を入ると、真っ赤な朝日に照らされた夜明け間近の写真が目に飛び込んできた。サラ金やヤミ金の被害者救済活動を行う「夜明けの会」世話人代表の司法書士柿崎進さんが撮影した。強引な取り立てに追い詰められた人々が最後に駆け込んでくるこの場所で、二度と明けない夜を覚悟した何百人もの被害者たちが再び光を取り戻してきた。

 会が発足したのは一九八二年。当時、柿崎さんの顧客の女性から、四十代の息子について相談されたのがきっかけだった。母親に無断で土地の権利書などを持ち出した息子は、臨月間近の妻と一緒に古びたアパートの一室で息を潜めて暮らしていた。

 押し入れの布団の間から漏れ聞こえる電話の呼び出し音は、鳴っては切れ、切れては鳴るを繰り返し、決して受話器を取るはずがない家主を呼び続けた。事情を聴いている間にひっきりなしに電報が届いた。全国で借金苦を理由に自殺者が急増したのもこのころだった。

 翌年には貸金業法が 施行される。登録業者 以外の貸金や暴力的な 取り立てが禁止され、業者は登録先の自治体の指導、監視下に置かれたが、登録しないヤミ金業者も多く、被害は減らなかった。特にここ数年、店舗を持たずに携帯電話を連絡手段とし、公園や喫茶店、車の中で利用者と接触する「090金融」などの被害が急増して いる。

 会では、新規と継続を合わせて月三、四十件を扱う。一日で解決するケースもあれば、一件に一週間以上を要する場合もある。「違法な業者に借りたものは返さない、返したものは取り返す」のが会の基本姿勢。最近の相談は半数以上が主婦。若者は一割程度だ。

 不況のせいか、家族経営の店主や中小企業経営者ら中年男性も多く、破産宣告済みで貸し手が見つからず、切羽詰まってヤミ金に手を出すケースが増えた。業者に年金証書や通帳、印鑑までだまし取られ、年金が一銭も手元に届かず、別業者から生活費を借りる高齢者もいる。

 被害防止策は「借りないに尽きる」と柿崎さ ん。無利息・低利息の貸し付け、生活支援金や 社会福祉保護の充実、精神的ケアのネットワークづくりなど、国や自治 体に期待することも大きい。

(2003年1月14日掲載)

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