| 名水紀行 | ||
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【4】 ちちぶの水(秩父)
家庭で飲める“名水” | ||
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秩父市大宮の「道の駅ちちぶ」。国道140号と299号の上野町交差点近くにある。秩父の特産品や農産物の販売などが行われ、立ち寄る観光客の姿が絶えない。この一角に「おいしい」と評判の水飲み場がある。訪ねた日も県内だけではなく、東京や群馬から、ポリタンクやペットボトルを持参して水をくみに来た人がいたほど。 そばに案内板がある。雨に濡れたのか説明文の大半が判読できないが、一部に「この『ちちぶの水』は橋立浄水場からのもの」とある。実は市内に配水されている水道水と同じものだ。狭山市の七十代の夫婦は「五年前から週末にくみに来ている。家の水道水は飲めないが、この水はごくごく飲める」という。藤岡市の五十代の夫婦は「今年から毎週来ている。水が軟らかく、くせがない。コーヒーやお茶を入れたり。一味違います」と話す。 橋立浄水場は旧秩父市内に三カ所ある大きな浄水場の一つ。武甲山の麓(ふもと)にある橋立鍾乳洞の近くにある。一九二四(大正十三)年に完成した県内初の浄水場だ。水道水なのに、なぜおいしいんだろう。その“秘密”は大きく二つある。まず、荒川支流の橋立川から取水(自然流下導水)している表流水。「水源がきれいで、流域が狭く、わき水的だ」(勅使河原俊介・市浄水センター所長)という。もう一つは浄水方法。戦後、各地の水道水がまずくなった理由の一つに浄水方法の変更がある。イギリスで開発された微生物の浄化作用を応用した緩速ろ過法から、アメリで開発された薬品の力で浄化する急速ろ過法に変わったからだ。 橋立浄水場は、八つあるろ過池のうち七つが、昔のままの緩速ろ過法で精製している。このため自然の味を損なうことなく、たいへん「おいしい水」が生まれる。ろ過速度が遅く、広い土地が必要ということもあるが、おいしい水ほど、薬品などの費用もかからないというから皮肉だ。関根正嗣・市水道部長は「大正時代の人たちが、立派な浄水場を造っておいてくれたおかげで、今もうまい水が飲めるんですよ」と話した。この家庭でも飲める“名水”をもっとアピールしたい。 【メモ】旧秩父市内には橋立、別所、高篠浄水場がある。橋立浄水場は、取水した原水を「緩速ろ過池(7つ)」により浄水処理し、高濁度時には一部、「急速ろ過池(1つ)」により浄水処理し、荒川右岸の地域(市街地、大野原、黒谷の一部、上影森、下影森)に給水している。問い合わせは、秩父市水道部(TEL0494・25・5221)。
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(2008年10月3日掲載)
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