「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」。憲法二五条に定められている生存権は、国民が持つ最も基本的な権利の一つだ。
 しかし、気を付けて周りを見ると、寝る場所がなくて一杯百円のコーヒーを手にファストフード店で朝まで過ごす人や、二つ、三つと仕事を掛け持ちして毎日二十時間近く働かざるを得ない人がいる。これが“最低限度の生活”なのか。生活苦を理由に年間七千人が自殺する国が、豊かなのだろうか。
 人は避けられない病気や事故に遭うことがある。リストラや離婚も珍しくない。だが、いくつかの不幸が重なり将来の希望が見えなくなると、絶望し、貧困に陥る。
 日常生活に潜む貧困へのつまずき。その現場を歩いた。報告するのは、明日のあなたの姿であり、私たちの姿かもしれない。

1. ネットカフェ難民〔1〕 幅80“センチ”のすみか
2. ネットカフェ難民〔2〕 住所不定 もう10年
3. ネットカフェ難民〔3〕 膨らむ不安と焦り
4. ネットカフェ難民〔4〕 抜け出す人わずか
5. 派遣社員〔1〕 昼は社員 夜は請負
6. 派遣社員〔2〕 35歳 6つ目の職場
7. 派遣社員〔3〕 社員は使い捨て
8. 派遣社員〔4〕 非正規 3人に1人
9. 母子家庭〔1〕 1日21時間の勤務
10. 母子家庭〔2〕 2度の事故で失業
11. 母子家庭〔3〕 支えられ夢を形に
12. 母子家庭〔4〕 自立 険しい道のり
13. ホームレス支援〔1〕 野宿15年 抜け出す
14. ホームレス支援〔2〕 ホーム 1年で11軒
15. ホームレス支援〔3〕 公園 河原 至る所に
16. ホームレス支援〔4〕 宿泊所いつも満員
17. ホームレス支援〔5〕 生活 自立 残る課題

 さまざまな仕事、さまざまな場所で貧困に苦しんでいる人がいる。
貧困が大量に生み出される背景と「今、何をすべきか」を四人の有識者に聞いた。

18. 識者に聞く〔1〕 構造改革 痛み続く
19. 識者に聞く〔2〕 広がる社会的排除
20. 識者に聞く〔3〕 世代超え固定化も
21. 識者に聞く〔4〕 滑り台社会 脱却を
 
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