候補者は訴える −出直し知事選

テーマは官との戦い
出直し知事選・上田清司氏

街頭では国会時代をほうふつとさせるパネルを使っての熱弁も。多彩な応援弁士も特徴だ =21日午後、さいたま市のJR浦和駅前

 上田氏が街頭でも室内でも演説で真っ先に取り上げる問題が特殊法人や公益法人の「ずさんな」運営実態だ。トップに座る天下り官僚への批判を含め、話は今回の知事選を「官と民の戦い」と位置付け、官僚出身候補への批判と続いていく。

 十九日夜、さいたま市大宮区で開いた演説会。屋外と違い、聴衆一人ひとりの顔が見え、反応がじかに伝わる会場。外郭団体の実態を実例に基づきながら語る上田氏、次第に熱が入っていくのが参加者にも伝わる。

 「現在、二万数千の公益法人がある。トップは天下り高級官僚、数兆円の赤字を垂れ流しても何とも思わない。高給をもらう一方で責任を取ろうとしない。とんでもない人たちですよ」

 「官との戦いが生涯のテーマ」と言う。「新知事に中央官僚経験者が就くことだけは阻止したかった。愛すべき埼玉を天下り官僚の餌にしてはならない」。過激な言葉が次々と続く。

 外郭団体の赤字問題、職員の天下り批判は、県事業にも向けられる。地下鉄7号線。「鉄道は長距離の方が採算性が上がるので岩槻方面への延伸は必要。だが、三年ごとに副知事が社長に天下る現状でまともな経営ができるわけがない」

 県の外郭団体をゼロベースで見直し、職員の天下りにもメスを入れたいといい、「県庁は県民の最大のサービス産業であるべき」と“民”の発想を強調するたびに、うなずく参加者。

 もう一つ、演説で必ず触れる点が「政治には理念と哲学が必要」。「県政を進める上で、すべてに安全、安心の哲学を持って臨む」とし、「例えば歩行者の安全と安心を最優先にすれば、駅前の道路を速度が出ないようにボコボコにしたっていいじゃないですか」

 そして駄目押しは、さまざまな公約を、すぐやる、一年以内にやる、任期中にやるの三つに区分。「結果に責任を負うのが政治家の責務。官僚にはできない」と続ける。

 大宮駅前で演説に聞き入っていた男性会社員は十年来の“上田ファン”という。「実績に裏打ちされた内容と、はっきりした語り口が上田さんの魅力」といい、「行政実績はないが、上田さんなら思い切ったことをやってくれるのではないか」と期待を寄せていた。

(2003年8月24日掲載)

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