票を追う−03夏 知事選

総選挙みらみ思惑
衆院議員、動き活発

 三十一日の投開票が迫り、候補者八人の激しい争いが繰り広げられている知事選は最終盤へ。最後の追い込みに入り「政党色が強まった」との見方も出ているが、背景には今秋にも予想される解散・総選挙をにらんだ衆院議員らの思惑も複雑に交錯している。

 「もちろん知事選は衆院選に大いに影響する。自民系や民主系をはじめ誰が勝つかによって、状況や戦い方も違ってくるからね」と話すのは、現職の衆院議員。前哨戦どころか、今回の知事選は「衆院選そのもの」とまで指摘する。

 ただ、知事選候補へのかかわり方は単純にはいかないのも事実だ。

 二十八日夕方、上尾駅前。公明党の若松謙維衆院議員が島津昭候補の応援演説に立った。前日まで「衆院選と知事選は関係ない。つらい立場」と戸惑いを見せていた。

 同党県本部は「自主投票」の方針だが、高野博師参院議員が同じ会派だった浜田卓二郎候補を支援することは容認。それ以外の行動には原則として縛りを掛けている。

 一方、自民党は二十七日、次期衆院選で若松氏の推薦を決定。比例代表との重複立候補をやめ、小選挙区(6区=上尾市など)一本に絞る「背水の陣」(公明党県本部幹部)で臨む若松氏にとって、自民党の支援は不可欠。若松氏は演説で「きょう(島津氏が)上尾に来られると聞き、私は決断しなければならないとの思いでマイクを握っています」とも話した。

 保守新党も二十七日、金子善次郎衆院議員が自民推薦を受けた。同党県連は呼応する形で二十八日、島津氏を単独推薦、これを受け同本部も格上げ推薦に。同党は、幹部を島津氏応援に投入するという。

 一方、民主党は追い風ムード。「友情支援」を決めた民主党県連は、世論調査での「上田清司候補リード」の流れとともに“全面協力”を加速させる。細川律夫県連代表は「現職、(衆院選)候補予定者ともに、自分の選挙という気持ちで(知事選を)やろうと一致している」と意気込む。

 ただ、すっきりとは動けない人も。民主党の武正公一衆院議員は、前回衆院選で支援を受けた浜田氏の支援者との関係から、旧浦和市内でマイクを握らないなど応援演説の場所に配慮、苦しい対応を迫られる。

 「全員が自分の選挙として(知事選を)戦えるわけではない」とこぼすが、選挙区の1区は島津氏を支援する金子氏との激戦が必至。「友情支援の立場に変わりはないが、何とか勝って弾みをつけたい」と民主の奮起に期待を込める。

 自民、共産陣営は衆院議員が先頭に立った組織選を展開。特に自民党議員は「最後まで全力投球」と、県議や市議らとともに票の上積みに躍起になっている。

 民主党との合流が決まっている自由党も風向きは良好。武山百合子衆院議員は二十六日、小沢一郎、菅直人両氏とともに大宮駅前で上田氏の応援に立った。旧知の仲間への友情支援を強調したが、「民主党と一緒になって頑張りたい」と明るい表情を見せた。

(2003年8月29日掲載)

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