2002サッカーW杯 in埼玉を振り返る
7.埼玉スタジアム
日本の“聖地”目指して

 日本が激闘の末に手にした初勝ち点。準決勝で見せたロナウド(ブラジル)のスーパーゴール。埼玉スタジアムは二○○二年W杯の名場面を数多く演出し、その役割を十分果たした。

 四試合で約二十二万人が足を運んだアジア最大級のサッカー専用スタジアムが、次に目指すべき方向はただ一つ。ここを日本サッカー発信源にすることだ。

 二年前、日本サッカー協会副会長とJリーグチェアマンを務める川淵三郎氏はさいたま市内で講演し、「日本協会を埼玉スタジアムに移し、日本サッカーの拠点にすることも可能だ」との趣旨の発言をした。次期日本協会会長就任が確実の同氏の言葉は、単なるリップサービスだけのものではないはずだ。

 浦和南高出でU−19日本代表の田嶋幸三監督も、昨年さいたま市に来た際「ここを若手育成の拠点にしていきたい」と語っている。ユース年代から頂点の日本代表まで、埼玉に軸足を置こうという考えは、日本協会の中で少なからずある。

 現在、各年代の日本代表強化合宿は福島県のJヴィレッジが多く使用されている。しかし移動距離で大きなロスがあることも確か。その点、首都圏の埼玉スタジアムならばフットワークも断然良くなる。サブグラウンドなどの周辺開発が予定通りに進行すれば、一気に構想は進みそうだ。

 その一方で、国際試合の開催も大きな課題。日本、韓国、中国らが争う第一回東アジア大会が来年日本で開催されることが決まった。ぜひ埼玉スタジアムが会場になるよう努力すべきだろう。

 土屋義彦県知事は「私が先頭に立って最大限の努力をしていきたい」と会見で意気込みを示した。この言葉への期待感は高まる。

 国際試合の開催は低迷を続ける埼玉サッカーに好影響を与える。ジュニア世代の育成が「王国」復活の手段とする県サッカー協会の松本暁司理事長は「日本戦を年間一、二試合やってくれれば、その分配金を強化費に充てられる」と話す。

 また県庁内では全国高校サッカー選手権の決勝会場を誘致し、高校野球の甲子園、高校ラグビーの花園に並ぶ存在にしようという提案もある。

 八百億円をかけた巨 大スタジアム。年間の維持費、経費は七億円かかる。しかし埼玉だけでなく日本サッカーの聖地 になり得れば、波及効果も含め決して高くはな くなるはず。今はその土台をしっかり固める時 期だ。

=おわり=

(2002年7月8日掲載)

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