権田酒造株式会社

職場は大家族、パート歴17年

自宅近くの職場で長く勤める

笑顔で仕事の段取りを打ち合わせする権田幸子取締役(左)と高田香代子さん

「日本一の剛の者」と言われた鎌倉武士、熊谷次郎直実の膝元の造り酒屋、熊谷市の権田酒造。藍色の蔵元前掛けには「直実」の文字。蔵元ならではのスタイルに人懐っこい笑顔で現れたのは高田香代子さん。入社17年目のベテランパートタイマーだ。

生粋の熊谷っ子の高田さん。自宅から歩いて通勤可能で、勤務時間の融通が利くことが決め手となり、息子の入園を機にパート勤めを始めた。

同世代の社員らとは子どもたちも同世代。「ただいま」と学校から職場へ。酒蔵のある広い敷地の母屋で、子どもたちはまるで我が家のように過ごすこともしばしばだった。

お客様の声を励みに、仕事に喜び

東蔵で出荷準備をする清光雄嗣工場長(左)と高田香代子さん(右)

「楽しく笑って働ける環境を作ること、そして、女性に息長く勤めてもらうためには、柔軟な職場の対応が不可欠」と取締役の権田幸子さんは話す。子育てや介護など、従業員の事情に合わせて臨機応変に勤務時間を調整しているという。

高田さんの1日の仕事は蔵から始まる。酒の貯蔵庫である蔵の中は、1年中気温が7〜8度。酒のためのよりよい環境作りとはいえ、コンクリートの床は底冷えがする。日本酒の瓶詰めやラベル貼り、1箱約19キロの酒箱を積むなど立ちっぱなしの作業が続く。

得意先へ配達するのは好きな仕事のひとつ。「この酒は美味いね」と、お客様の声を直接聞き、もらう笑顔がなにより嬉しい。

子育て、自宅介護をやり遂げ「子離れ宣言」

高田さんのもう一つの顔は女性消防団員。熊谷市消防団本部女性小隊の一員で班長を務める。休日には救急講習の講師にも駆り出されている。

7年前、実父とともに自宅で介護していた実母を見送った。すっかり成長した息子たちを見て時々、「働き通しで介護もあった。寂しい思いをさせたのでは」と思い返すこともある。が、「お母さん、働いてくれてありがとう」という労いの言葉に救われた。

その息子たちに「子離れ宣言をした」という高田さん。「これからガッツリ働くぞ」と高らかに笑った。

会社概要

会社名 権田酒造株式会社
所在地 熊谷市三ヶ尻1491
電話 048−532−3611
創業 1850年
資本金 1000万円
代表者 権田清志
事業内容 酒類製造業
従業員数 8人(男性3人・女性5人)