佳作紹介

「突撃」 撮影地:比企郡

撮影者:山下一成さん(東京都台東区)

 「撮影地:比企郡」としか記述がないのでよくわからないが、毎年春に行われる嵐山町・鎌形流鏑馬(かまがたやぶさめ)での場面であろう。素馳(すばせ)と呼ばれる弓を持ち、矢を射ない走りで駆け抜ける迫力満点のカットである。満開のサクラの下、馬の動きと射手の動きを高速シャッターで写し撮った申し分のない作品である。

「暮れ行く稜線」 撮影地:皆野町

撮影者:村上勇さん(深谷市)

 オレンジ色の夕陽が、空を染め上げた秩父高原牧場の夕景である。赤色の最前列のポピー畑、黒々とした近景の山、濃紺に染まる中景の山、そして薄紫の遠景の山と、折り重なる山並みを美しいグラデーションにまとめている。見る人の目を飽きさせない秀作である。

「虫送り」 撮影地:皆野町

撮影者:風間大治さん(秩父市)

 毎年8月、皆野町立沢で行われる虫送り。特徴は「梵天」と呼ばれる色鮮やかな飾りが特徴で、耕地を祓い歩き農作物の豊作を祈念し、最後にこの梵天を焼き払うという行事で、その様子を撮影したのがこの作品である。鮮やかな3本の梵天が山畑の中を練り歩く様は、実にのどかで絵になる。背景に映り込んだ山々が奥行きを感じさせると同時に、山村に暮らす人びとの生活(くらし)を想起させる。

「大鋸(おが)作業」 撮影地:寄居町

撮影者:武内道直さん(寄居町)

 周囲に社の一部が見えることから神社での伐採、整理作業であることが見て取れる。小さく玉伐りされたスギの根元部分ををチェーソーで縦割り作業しているシーンである。周囲に飛び散るノコクズが一層の迫力を演出している。なお、プリントの前にシャドウ部を明るく調整するか、撮影に際し補助光を使うなどすれば作業者のディティルーがはっきりし、訴求力が一段と増すと思われる。

「命枯れても」 撮影地:さいたま市

撮影者:中野芳之さん(さいたま市)

 「何か訴えかけている動物?」とは、撮影者のコメント。まさにその通りで、見方によってはカエルのような、不思議な朽ちた枯木のオブジェである。枯木の周辺をうまくトリミングして、下から仰ぐようなアングルで撮影したことで、一層その不思議なイメージを強調することができた。

「木漏れ日の中のサッパ舟」 撮影地:加須市

撮影者:早野由香さん(さいたま市)

 毎年6月に開催されている加須市「の里・あやめ祭り」での一コマだ。木もれ日の中をゆっくりと進むサッパ船。「マイナスイオンに包まれ、ここちよい時間を過ごせました」とは、撮影者のことばである。緑に包まれた乗船客のくつろいだ雰囲気が、その言葉を裏付ける。川岸の人物を入れない工夫があればさらに評価が高かった。

「枝打ち」 撮影地:飯能市

撮影者:鴨下榮太郎さん(飯能市)

 育林作業の中でも、最も手間のかかる枝打ち作業。写真のような樹高・高樹齢の枝打ち作業は、あまり例を見ない。きっと節のない長大材を育てようとしているのだろう。ムカデ梯子を使い、高所での作業は危険を伴う。必死に樹にしがみつき作業にいそしむ作業者の息づかいが聞こえてくるようだ。下から仰ぎ撮ることで高所作業が強調された。

「晩秋の雲海」 撮影地:秩父市

撮影者:木之下正美さん(日高市)

 晩秋の明け方、画面手前の木々に朝日が当たり赤く輝き始めている。そして、その向こうには白い雲海が広がり、濃紺の山並みに押し寄せている。この時期、秩父盆地で繰り広げられる美しい自然現象を、最高のシャッターチェンスで見事に写し撮った秀作である。

「新緑の山々」 撮影地:秩父市

撮影者:島崎直助さん(秩父市)

 中央を流れる川は荒川、さらに奥の山は武甲山であろうか。下から上まで、針葉樹の濃い緑と鮮やかな緑の広葉樹の織りなす雄大な眺めは、圧巻である。要所要所に集落の姿も見え隠れして、自然と共生しながら生活する秩父市民の暮らしぶりが感じられる。

「冬の朝日に輝いて」 撮影地:川島町

撮影者:須田哲充さん(上尾市)

 県内有数の白鳥飛来地、川島町の越辺川(おっぺがわ)での一コマ。朝靄の中、冬の朝日が岸辺の林や水面にたたずむ白鳥たちを照らし出す様は、実に幻想的で美しい。白鳥の動きも感じられ申し分ない作品である。

「森を抜けて」 撮影地:東松山市森林公園

撮影者:馬場歩さん(上尾市)

 冬の弱い残照が背景を照らす森の中、鮮やかな色の服を着た2人の少女が池に架かる吊り橋を渡っている。その様子が鏡のような湖面にも写り込み、不思議な世界を形づくった。周囲の沈んだ色の木立に鮮やかなシアンブルーが映え、幻想的な作品となっている。

「晩秋のサプライズ」 撮影地:飯能市トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園

撮影者:山口昇さん(入間市)

 アケボノスギの鮮やなか黄葉と緑色の木々、そしてそのはざまに初雪と思われる白とライトブルーのかわいらしい小屋を配置し、さらに散策する人を入れて撮影するという色と構図を計算しながらのワンショット。はたしてもくろみ通りの「晩秋のサプライズ」となる作品となった。