佳作紹介

「サクラ祭りの日」 撮影地:皆野町

撮影者:関根伊佐男さん(皆野町)

 毎年、皆野町のサクラ祭りには多くの観光客が集まる。周囲にはソメイヨシノやヤマザクラなど8千本が咲きそろう関東でも有数のサクラスポットである。満開のヤマザクラの下、イベントで繰り出した獅子舞が熟年の夫婦に、舞を披露しているシーンだ。しかし、よく見ると二人の表情が浮かぬ顔に見て取れる。サクラ、獅子舞、浮かぬ顔の取り合わせが何となく不釣り合いで、かえって面白い。

「初夏の花道」 撮影地:東秩父村

撮影者:栗島富雄さん(東秩父村)

 アジサイの咲く山道をポットを下げ、ザックを背負い、ハイキングする少女が二人。奥のアジサイや手前のガクアジサイの咲き方もほぼ満開で、タイトル通りの「初夏の花道」というシチュエーションとシャッターチャンスは申し分ない。

「初夏の彩り」 撮影地:滑川町

撮影者:新井恵美子さん(久喜市)

 キンギョソウが一面に咲き乱れる花畑の側をセグウェイに乗ってさっそうと走り抜ける3人。ピンク、赤や黄色など鮮やかな色の世界が広がり、見ていると自分も同じ体験をしてみたいと思わせるような写真である。欲を言えば横位置にして、右下の土の部分をカットすると全体に広がりが出た。

「休日の森」 撮影地:所沢市

撮影者:高橋光子さん(所沢市)

 木々の紅葉も盛りを迎えた航空公園でのワンシーンである。左右から中央に広がる黄色く色づいたエノキの下で、野球の練習に励む母子の姿が微笑ましい。半逆光での撮影により黄葉がより強調され、本来なら母親の顔が影で見えなくなるのだが、地面に落ちた枯れ葉からの反射ではっきりと見て取れる。構図もシャッターチャンスもいい。

「訪れた春」 撮影地:飯能市

撮影者:小林健一さん(さいたま市)

 飯能は、古くから林業地として知られた地であり、山の多くはスギやヒノキなどの針葉樹で覆われている。その濃い緑の中にひときわ目立つ一本の満開のサクラを画面左隅に配し、濃緑色と薄桃色の対比をさせているのが強く印象に残る作品である。

「福が舞い降りる」 撮影地:秩父市

撮影者:新堀勝彦さん(日高市)

 撮影者によれば、「秩父の山間に泳ぐ鯉のぼりがあると聞き、撮影に出かけた。山を登っていくと谷閧ゥら吹き上げた風に泳ぐ鯉のぼりを見て、撮影した」という。緑の山々を背景に風になびいて、鯉のぼりがあたかも泳いでいるような感じがうまく表現されている。惜しむらくは下部分をもう少しカットすれば、より鯉のぼりが強調された。

「春うらら」 撮影地:上尾市

撮影者:須田哲充さん(上尾市)

 インスタ映えする穏やかな春の公園の一コマ。水面に波が立っていないところを見ると早朝であろうか。水鏡に写るサクラ並木が実に美しい。並木を右から左に収束するように撮影したことで奥行きが出た。並木の間にでも散歩している人が添景で映り込んでいれば申し分がなかったが。

「ド迫力」 撮影地:小川町

撮影者:仲弘子さん(小川町)

 支障木伐採の後片付け作業だろうか。伐採した材をトラックなどに積み込むグラップルのアームを手前に写し込み、その背景に人物を置くことでスケール感を強調している。アームに摘ままれるかのような、タイトル通りの迫力あるカットになった。

「帰り道」 撮影地:新座市

撮影者:田中与四男さん(新座市)

 いかにも早春の風景である。一面の菜の花とその背景には、サクラの花が見頃を迎えている。その側を、3人のお年寄りが杖をつきながら散歩している。どんな会話をしているのだろうか。人物、背景の入れ方、シャッターチャンスなど申し分ない。

「風布川をそめる」 撮影地:寄居町

撮影者:島田英夫さん(滑川町)

 撮影時が曇り空であることから、木陰と水面部分とのコントラストがなく、全体に光が回っているため、渓流に沈んでいる葉の色と水面に映る紅葉の色が相まって水が赤褐色に見える。構成要素を紅葉、渓流、岩の三点に絞ることで、上方のオレンジ色、中程の赤褐色、下方の黒色がバランスの良い配色となり、しっとりとした落ち着いた晩秋の渓流風景となった。

「春雪の梅林」 撮影地:秩父市

撮影者:風間大治さん(秩父市)

 降りしきる雪の中に、たたずむ二人の人物。白黒のモノトーンの世界にひときわ目立つ赤いジャケット姿の人物が目を惹く。よく見ると、傘をさして雪をよけながら左上の民家風の建物と庭園のような風景をカメラで撮影していることが分かる。寄り添う二人の様子が、寒々とした雪景色を和ませる重要な添景になっている。

「有氏神社盤台行事」 撮影地:神川町

撮影者:福島一生さん(深谷市)

 神川町・有氏神社で行われる盤台祭り。白ふんどし姿になった氏子が赤飯の入った盤台を掛け声に合わせて上下させ、中の赤飯をまき散らす。この赤飯を食べると、その年の厄払いができるといわれている。男たちの動きや赤飯を受け取ろうとする観客、イチョウの紅葉などから、祭りの雰囲気が直に伝わってくる。残念なのは全体的にコントラストが強すぎた。

「杉山のカンバツ」 撮影地:東秩父村

撮影者:眞下政則さん(東秩父村)

 間伐作業に取り組む作業員。そして、エンジンから吐き出される排気ガスと周囲に飛び散る鋸屑。手際よくチェーンソーを操作している姿がいかにもプロらしく、まさに「様に」なっている。周囲に響き渡るエンジン音が聞こえてくるような臨場感が感じられる。