佳作紹介

「春爛漫」 撮影地:幸手市
撮影者:野口仲一さん(さいたま市)

 サクラと菜の花で知られる幸手市の権現堂堤でのスナップである。春の陽光の中、満開のサクラの下で中年のご夫婦がお昼のお弁当を食べている。目の前には、これまた満開の菜の花畑が広がる。これほどの贅沢なシチュエーションはそうそう出会えない。人物の配置、上方のサクラの取り入れ方も申し分ない。

「ドラマチック・サンセット」 撮影地:上尾市
撮影者:須田哲充さん(上尾市)

 「日が沈む頃の夕焼け空が水面に映り込んでシンメトリーな景色が広がった」とは、撮影者の言葉である。初冬の公園の池に映り込んだ樹影と薄暮の空が織りなす夕景は、まさにドラマチックである。中央付近にオレンジ色に輝く街の明かりがポイントとなっている。空のハイライト部分を写真プリントでいう「覆い焼き」で少し濃度を上げると、さらにシンメトリーの効果が出た。

「秩父雪景」 撮影地:秩父市
撮影者:豊田弘さん(秩父市)

 川面に青空が映り、木々の梢にまとわりつく白い雪が樹木を立体的に描き出している。ふだん見慣れた景色でも雪が積もると、まるで別世界のように見えることがある。この写真も同じようだったのではないだろうか。うっすらと積もった晴れた早朝、雪が溶け出す前に撮影するのが鉄則である。シャッターチャンスを生かすことで得られる貴重なシーンだ。

「花筏」 撮影地:川越市
撮影者:大竹紀公子さん(小川町) 

 祭りの日のイベントで撮影したとのこと。サクラの花が散りはじめ、川面が文字通りの花筏状態になったところに、観光客を乗せた和船が通りかかる。まさに、千載一遇のシャッターチャンスである。そんな場面をものにした撮影者の技量に脱帽である。

「守護神」 撮影地:熊谷市
撮影者:大澤寅三さん(小川町)

 熊谷市塩にある大エノキは、姿格好が絵になる巨樹として知られている。撮影者は、雪がうっすらと積もった早朝にカメラを手に出かけたのであろう。まだ明けやらぬ青空をバックにエノキを真っ正面から左右対称に、堂々とした姿を見事に描写した。アンダー気味に撮影したことで巨木としての迫力が増した。根元の石仏に巻かれた赤布が目を惹く。

「塚越の花祭り」 撮影地:秩父市
撮影者:斉藤重利さん(熊谷市)

 この祭りは子供たちが数日かけて花を籠いっぱいに集めておき、祭り当日、山腹にある薬師堂まで花をまきながら、お釈迦様が納められた花御堂をかつぎあげるという祭りである。花まみれになりながら懸命に花をまく少年や降りかかる花をよけながら歩を進める少女らの様子が印象的だ。画面の要所にツヅジなどの花を取り込んだことで、いっそう華やかさが強調された。

「春うらら」 撮影地:秩父市
撮影者:馬場勝美さん(秩父市)

 満開の桜を背景に保育園児たちの記念写真撮影を撮っている場面を斜め後ろからうまいタイミングで撮影している。子供たちの表情をよく見ると、カメラ方向にしっかりと顔を向け作り笑いをしていたり、まじめな顔をしていたりと千差万別で思わずほほえんでしまう。春爛漫のサクラと幼い子供たちの可愛らしい表情は、まさに「春うらら」である。欲を言えば、右上の空の空間にもサクラの花が入っていると良かった。

「秋を語る」 撮影地:秩父市
撮影者:佐藤常利さん(皆野町)

 美しく紅葉した山をバックに休憩する二人のハイカーをシルエットにしてシャッターを切っている。あたかも影絵のワンシーンを思わせるようなカットである。左側のハイカーが山を指しながら紅葉を話題にして話が盛り上がっているのであろうか、そんな雰囲気が静かに伝わってくる。

「巨木伐採」 撮影地:飯能市
撮影者:吉田幸子さん(飯能市)

 チェーンソーの音とヒノキの大木が倒れる音が聞こえてきそうな瞬間を上手く捕らえた。左右からチェーンソーをあてがい、樹を切り倒す作業員の姿にも動きが感じられ、迫力が伝わってくる。惜しむらくは、左右の作業員の後部分がぎりぎり状態になっていることだ。カメラを少しひいて若干のスペースがあると写真全体に安定感が増すのだが。

「春のツリークライミング」 撮影地:横瀬町
撮影者:関根伊佐男さん(皆野町)

 最近では、各地で行われるようになったツリークライミング。県民の森での撮影とのことだが、斜面の下の方から仰ぐように撮影しているため奥行き感が出ると同時に高さも強調されている。新緑の中、上り下りするクライマーらが交わす楽しい会話が森に響き渡ってくるかのようだ。

「落葉舞う」 撮影地:東松山市
撮影者:栗島信男さん(小川町)

 最近では、堆肥用の落葉を採集できるような広葉樹林が身近な場所から姿を消してしまい、この写真のように落葉で遊んでいるような姿を目にすることがなくなっている。撮影者が「子供2人で落葉を投げて楽しそうに遊んでいたのが目に止まり写した」というのもうなずける。冬枯れの雑木林の中で落葉を宙に放り上げて戯れる子供らの動きをうまく捕らえた。

「新緑に遊ぶ」 撮影地:狭山市
撮影者:榎本善夫さん(入間市)

 細い丸太をかついだ少年が、小さな水たまりにかけられた橋を恐る恐る渡ってる。それを心配そうに見つめている少年。これから何をしようとしているのだろうか。新緑のグラデーションに包まれた池辺を背景に、山遊びにいそしむ子供らのさりげない様子を上手にスナップしている。

「がんばって!」 撮影地:飯能市
撮影者:濱口淳子さん(飯能市)

 飯能の森林フェスティバルでの一コマ。親子らしき大人と子供が丸太切り体験に挑んでいる。なかなか難しい昔の二人挽きノコを押したり挽いたり、どうにか操りながら挑んでいる様が見て取れる。苦笑いする親と真剣な子供の表情の対比がほほえましい。タイトル通り「がんばって」と声をかけたくなる。